目黒の野鳥と昆虫

都会の喧騒の中にも、ひっそりと息づく小さな命がある。
目黒区の住宅街では、庭先にシジュウカラやメジロが訪れ、春の陽射しのもと軽やかにさえずる。
その小さな羽ばたきが、日常の隙間に優しい音色を添えてくれる。
目黒川の船着き場では、シラサギが優雅に佇み、カモたちは水面を滑るように泳ぎながら、小魚を求めて忙しく動き回る。
その姿は、都会に流れる川がいまだに生き物たちの憩いの場であることを教えてくれる。
我が家の庭でも、春の訪れとともに野鳥やチョウが舞い、ミツバチや熊蜂が花の蜜を求めて飛び交う。
羽音を響かせながら、彼らは懸命に生をつなぎ、花々とともに時を刻む。
住宅街の一角の小さな緑の空間が、彼らの隠れた楽園となっているのだ。
人々の目に留まることは少ないが、確かにそこにある命の営み。それは、大都会の中に息づく静かな詩のようでもある。